オンサーガーの相反定理
オンサーガーの相反定理
基礎化学・基礎物理
一般物理
オンサーガーの相反定理とは、熱力学において、平衡から外れているが局所的に平衡状態にあるとみなせる系での、流れと熱力学的な力との関係に関する定理である。熱力学的な力とは、たとえば系の温度や圧力の勾配のことである。系内に温度差があれば高温部から低温部へ熱の流れが生じ、圧力差があれば高圧部から低圧部へ物質の流れが生じる。そして温度と圧力の両方に差がある場合には、圧力差が熱の流れを生み出し温度差が物質の流れを生み出すという「交差関係」が実験的に明らかにされている。 ここで、圧力差当りの熱の流れと温度差当りの密度(物質)の流れが等しい、というのが相反定理である。同じような相反関係は他の様々な力と流れの間にも成り立つ(たとえばゼーベック効果とペルティエ効果など)。