ダビドフ分裂
ダビドフ分裂
基礎化学・基礎物理
光物性・光化学
因子群分裂ともいう。気体や液体で観測される電子準位間の遷移に対する1本の吸収線が、同じ物質から成る固体 (分子結晶) では2本以上に分れる現象をいう。A.ダビドフにより発見された。分子結晶中で分子が方位を異にして配列する場合にこの分裂が起り、並進に対して等価でない n個の分子があると、n個のダビドフ多重項が生じる。この現象は、結晶をつくると励起状態が結晶全体で共有され、分子励起子をつくることに関連している。多くの分子結晶、たとえばベンゼン、ナフタリン、アントラセンなどで観測される。