ドナー
ドナー
材料
有機半導体材料無機半導体材料
シリコン半導体においては、半導体を構成する母体元素の原子価よりも大きい原子価をもつ不純物元素をいう。たとえば、シリコン( 14族半導体)に、15族元素であるリン、ヒ素、アンチモンなどを不純物として添加すると、これらの不純物元素の5個の最外殻電子のうち4個は母体元素との共有結合にあずかり、残りの1個は結合に関与せず、低温では不純物元素に比較的弱い力で束縛されている。温度が上昇すると、この電子は束縛状態から解放され、伝導帯で自由電子となる。このように伝導帯に自由電子を供給 (donate) するような不純物をドナー (または供与体) と呼ぶ。ドナー不純物は禁制帯の中にドナー準位を形成し、伝導帯に電子を供給するので、その半導体はn型伝導を示す。一方、有機半導体の分野においては、電子を与えやすい分子のことを一般にドナーと呼ぶ。たとえば、トリフェニルアミン類やチオフェン系の化合物は、HOMOのエネルギー準位が浅く、電子を別分子に放出しやすい。