フロンティア軌道
フロンティア軌道
基礎化学・基礎物理
一般化学
分子の電子配置は、軌道エネルギーの低い分子軌道から順に電子を2個ずつ詰めていく(フントの規則)。そして、電子に占有されている最もエネルギーの高い分子軌道をHOMO(最高被占軌道)、電子に占有されていない最もエネルギーの低い分子軌道をLUMO(最低空軌道)と呼び、これらをフロンティア軌道と呼ぶ。フロンティア軌道理論では、フロンティア軌道の密度や位相によって分子の反応性が支配されると主張されている。実際には、有機反応論で主張されるように全電子密度によって反応部位が決まる反応と、フロンティア軌道の密度によって反応部位が決まる反応がある。前者は電荷支配の反応、後者は軌道支配の反応と呼ばれる。有機半導体においては、フロンティア軌道すなわちHOMOとLUMOは、電荷を注入、移動させるエネルギー準位として、また、発光や失活、状態間遷移を考える上で最重要となるエネルギー準位である。