ボーア磁子
ボーア磁子
基礎化学・基礎物理
量子力学
ボーア・マグネトンともいう。磁気モーメントの基本単位で、電子が原子核の周りを軌道運動するときに生ずる最小の磁気モーメントである。ボーア磁子μBは、μB=eh/4πmc(hはプランク定数、e、mはそれぞれ電子の電荷の絶対値と質量)で与えられ、μB=9.27×10-24 J/T という大きさをもつ。ここで、J(ジュール)はエネルギーの単位、T(テスラ) は磁束密度の強さの単位である。この単位を用いると、強磁性ニッケルの磁気モーメントは、0.6 ボーア磁子となる。磁気モーメントを担う電子の角運動量を J とすると、磁気モーメントMは、M=-gJJμBとして与えられる。gJ はランデのg因子とよばれ、磁気モーメントが電子の軌道運動によるならば1、スピンによるならば2となる定数である。Jは絶縁体中の原子では整数か半整数であるが、金属のように電子が物質中を遍歴できる場合は任意の値をとる。