マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-TOF-MS)
マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-TOF-MS)
評価・解析方法
その他
MALDIは質量分析におけるイオン化法の一種で、マトリクスと呼ばれるイオン化促進剤と混合したサンプルに、紫外レーザーを照射することで、マトリクスを介してサンプル分子を昇華・イオン化させる。イオン化時のサンプル分子のフラグメンテーションを抑制できるソフトイオン化の一種であり、ESIやFDなどの他のソフトイオン化法ではイオン化が困難な、分子量数万程度の高分子をイオン化することができる。MALDIと飛行時間型質量分析計(TOF-MS)を組み合わせたMALDI-TOF-MSでは、イオン化されたサンプル分子は、質量分析計内を飛行中に質量に応じて分離され、検出される。マススペクトルの質量分解能は飛行時間が長いほど向上する。m/z=2eVt2/L2 ここで、m:イオンの質量、z:イオンの電荷(通常+1)、t:飛行時間、e:電気素量、V:加速電圧、L:飛行距離。MALDI-TOF-MSは、高分子材料のマススペクトルを測定し、定性分析を行うことができると共に、質量分解能が高いスパイラルモードと、測定可能な質量範囲が広いリニアモードを使い分けることにより、幅広い材料の評価ができる。