ワニエ励起子
ワニエ励起子
応用物理・応用化学
半導体物理
ワニエ励起子は、励起状態の波動関数の広がりが格子定数に比べてずっと大きいような励起子のことである。この励起状態は1つの格子点の周りに空間的に広がった状態で、電子と正孔が弱いクーロン力で緩く束縛されている。無機物半導体でよく見られる。励起子の典型的な半径は 1~10nmである。結合エネルギーは10meVより小さく、室温で容易に解離して電子と正孔を生成する。励起子束縛エネルギーは水素原子モデルと同じように見積ることができる。なお、フレンケル励起子とワニエ励起子は“励起波”の中での極限的なモデルであり、実際の物質における励起子は両者の中間状態となる。