不純物準位
不純物準位
応用物理・応用化学
半導体物理
不純物を添加することにより半導体の禁止帯中に発生する準位で、この不純物のまわりに電子が局在したり欠けていることによって生じる。この準位には、伝導帯の下端近くに存在するドナー準位(伝導帯に電子を供給する)と、価電子帯の上端近くに存在するアクセプター準位(価電子帯に正孔を供給する)がある。また、外部から加えられた不純物によるものだけでなく、結晶中の格子欠陥に由来する準位も不純物準位という。伝導帯または価電子帯に近い準位は、室温程度の熱エネルギーで自由電子または正孔を励起し電気伝導に寄与する。禁止帯の中心部付近に存在する深い準位は、キャリヤーに対して捕獲中心や再結合中心として働くことが多くある。