光化学反応
光化学反応
基礎化学・基礎物理
光物性・光化学
光の吸収によって起こる化学反応の総称。一般の分子が化学変化に必要とされる以上のエネルギーの光を吸収すると、励起分子(光励起)、遊離基(前期解離、光解離)やイオン(光イオン化)などが発生する。このうち、発生した励起分子は分解、異性化、発光、無放射遷移、ほかの分子へのエネルギー移動、失活、付加などの過程により励起エネルギーを失う。励起分子や遊離基などを反応中間体として、光分解、光異性化、光重合、光還元、光酸化などの反応が起こる。分子や原子が光を吸収して中間体を生成する過程と、生成した中間体が引き続いて各種の反応をする過程とに大別できる。これらをそれぞれ光化学一次過程(初期過程)および二次過程という。このうち、一次過程は光化学特有な過程であるが、二次過程は必ずしも光化学特有な過程ではない。多くの有機物や無機物は可視領域の光に対して安定である。可視領域の光を吸収して起こる反応は、おもに生物体でみられる(たとえば光合成)。紫外領域の光(400 nm 以下)は多くの物質に吸収され、光のエネルギーも十分に大きいため、各種の光化学反応を引き起こす.さらに,短波長になると光イオン化なども起こりやすくなる。