分子性結晶
分子性結晶
基礎化学・基礎物理
一般化学
ファンデルワールス力を主とした弱い結合力により、分子が互いに結合してできる結晶。結晶エネルギーが小さく、融点も一般に低い。ナフタレンやその他の有機化合物の結晶はこれに属する。分子性結晶では結晶を構成する分子が規則的な配向および配列状態をとるため、構成分子の電子軌道がバンド構造を形成するものがある。無機結晶との大きな相違点は、伝導電荷に働く局在ポテンシャルである。無機結晶では、内殻電子のみが原子のポテンシャルに強く束縛されるのに対し、分子性結晶では、伝導電子も分子内のポテンシャルに束縛される。これにより、キャリアの移動機構も無機結晶とは異なるものになる。