励起エネルギー移動

励起エネルギー移動

基礎化学・基礎物理
光物性・光化学
励起エネルギー移動は、励起分子が起こす二分子過程の一つであり、一方の分子(ドナー)の励起エネルギーを他方の分子(アクセプター)にエネルギー移動して電子励起状態が移動する現象である。2つの過程がある。1つは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、またはフェルスター共鳴エネルギー移動(RET)であり、近接した2個の色素分子(または発色団)の間で励起エネルギーが、電磁波にならず電子の共鳴により直接移動する現象である。供与体の発光スペクトルと受容体の吸収スペクトルの重なり積分が大きいほどフェルスター距離が大きくなり、エネルギー移動が起こりやすくなる。FRET効率は、両分子間の距離の6乗の関数として距離とともに急速に減少する。もう一つは、デクスター機構であり、ドナーとアクセプターの間の波動関数の重なりが必要であるので、一般には15-20A(オングストローム)オーダーの近距離でのみ起こる。

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