有機無機ペロブスカイト化合物
有機無機ペロブスカイト化合物
材料
有機・無機ハイブリッド材料
ペロブスカイト型化合物の陽イオンの成分を有機アンモニウムに替えることも可能である。このペロブスカイト型化合物には有機成分が含まれていることから、有機無機ペロブスカイト化合物と呼ばれており、金属イオンは主に錫や鉛が用いられる。一般式で[(RNH3)mMXn]などで表され、金属イオンMやハロゲンX、有機基Rを変えることで、その構造や物性を緻密に制御できる。錫の有機無機ペロブスカイト化合物は電気伝導性に優れ、鉛のそれは光物性などに優れている。また、ハロゲンを変えるだけでバンドギャップの制御が可能である。有機基Rは、メチル基や長鎖アルキル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基などが利用され、有機物の骨格の多様性が構造の制御に活かされている。例えば、R = メチルの場合は[(MeNH3)MX3]の化学組成を持つ3次元の立方晶ペロブスカイト構造を形成する。R = CnH2n+1 (n = 2以上)の場合は、2次元ペロブスカイト層を形成し、アルキル鎖の長さに応じて層間の距離が変化する。応用例としてペロブスカイト太陽電池(PSC)がある。