配位座標

応用物理・応用化学
半導体物理
固体の中での電子の運動と原子核の運動(格子振動)を比較すると、フェルミ準位付近の電子は10^7[cm/s]という高速で運動し、原子核は10^5[cm/s]程度の遅い速度で振動している。電子からみれば原子核は止まっているように感じられるが、電子の受けるポテンシャルは原子核の位置に依存するので、電子の固有エネルギーは原子核の位置(配位座標)の関数となる。電子エネルギーが原子位置に依存する様子をグラフに描いたものを配位座標曲線という。励起状態と基底状態では波動関数の形が異なり、周囲の原子から受けるポテンシャルが異なるので、励起状態のエネルギーの極小を与える原子の配位座標は、基底状態の極小を与える配位座標からずれる。また、励起状態にある電子は波動関数の広がりが大きいため、原子核の位置に対するポテンシャルの変化の影響を受けにくく、配位座標曲線の曲率は小さくなる。

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