量子収率
量子収率
半導体素子
有機EL
出力された光子あるいは電子の数(m)と、その出力の元となる入力された光子や電子の数(n)との比(m/n)を量子収率(または量子収量)という。蛍光・リン光や光電子放出の場合には、放出された光子や光電子の個数がmとなり、吸収された励起光の光子数がnとなる。光化学反応の場合は、反応を起こした原子または分子の個数がmとなり、吸収された励起光の光子数がnとなる。太陽電池の場合は、外部回路に放出された電子数がmとなり、吸収された光子数がnとなる。有機ELの場合は、放出された光の光子数がnとなり、入力された電子の数がmとなる。さらに、量子収率は外部量子効率と内部量子効率に分けて考えられることがある。有機ELを例に挙げると、デバイス内部で放出された光をnとする場合は内部量子収率、デバイス外部に放出(取り出された)光をnとする場合が外部量子収率となる。この場合、外部量子収率は、内部量子収率に光取り出し効率を掛け算したものとして定義できる。有機薄膜太陽電池では、その発電プロセスの効率面から量子収率(η)を表わすと、η=η1xη2xη3xη4 となる。ここで、η1は光活性層での光吸収効率、η2は励起子のドナー/アクセプター界面への拡散効率、η3はドナー/アクセプター界面でのキャリア分離効率、η4はフリーキャリアの電極への輸送効率である。