電子分極
電子分極
基礎化学・基礎物理
物理化学
電界の作用を受けて、原子・分子内の電子の分布が変化することで生じる誘電分極。特に価電子の移動によるものを指す。ベンゼン結晶では、ベンゼン分子に正孔を注入すると周囲のベンゼン分子中の電子が接近し、電子を注入すると遠ざかる(電子分極)。有機半導体においては、電荷担体が一分子中に滞在する時間は電子分極に要する時間より長く、常に電子分極を伴う。これに対し、無機半導体では、電荷担体の一つの格子点での滞在時間は短く、この間にいかなる分極も引き起こさず、周囲の電子も原子も止まったままとみなすことができる(剛体モデル)。