電子親和力

基礎化学・基礎物理
一般物理
電子親和力は、原子、分子(場合により、固体や表面も対象となる)に1つ電子を与えた時に放出または吸収されるエネルギー。放出の場合は正、吸収の場合は負と定義する。電子親和力が負であることは、陰イオンになり難いことを意味する。電気的に中性になる原子、分子の電子親和力は、それらが一価の負のイオンとなっている状態のイオン化エネルギー(イオン化ポテンシャル、電離エネルギーとも言う)と等しい。また、一価の正のイオンとなっているある原子、分子の電子親和力は、それらが中性の原子、分子のイオン化エネルギーと等しい。中性の原子、分子の電子親和力と中性の原子、分子のイオン化エネルギーは等しくない(この場合、通常イオン化エネルギーの方が値として大きい)。電子親和力は金属では仕事関数と一致するが、半導体の場合は、電子親和力は伝導帯の底から真空準位までのエネルギー差として定義されるため、フェルミ準位から真空準位までのエネルギー差として定義される仕事関数とは異なる値になる。有機固体では、LUMOと真空準位のエネルギー差が電子親和力と呼ばれる。

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