電荷移動遷移
電荷移動遷移
基礎化学・基礎物理
光物性・光化学
電荷移動遷移(CT遷移)は、原子間での電子の移動を伴う遷移過程である。錯体化学などで用いられることの多い概念である。CT遷移は配位子から中心金属へ、あるいは中心金属から配位子へなど、異なる原子間での電子移動を伴う遷移過程をさす。配位子から中心金属への電子移動をLMCT (Ligand to Metal Charge Transfer) 遷移、逆のことをMLCT (Metal to Ligand Charge Transfer) 遷移という。LMCT遷移は配位子が電子豊富なもの、すなわちベンゼン環など不飽和結合を有する化合物を含む場合に起きやすい。CT遷移はラポルテ許容遷移のため吸光度は大きくなる。