アクセプター準位

応用物理・応用化学
半導体物理
電子アクセプターを半導体に混合させたときに出現するエネルギー準位を指す。シリコン半導体においては、4価の元素半導体シリコン(Si)に不純物として3価の元素ホウ素(B)を微量添加すると、BはSiと共有結合して負の電荷をもつ。この負の電荷によって生じる遮蔽されたクーロンポテンシャルにより、電子は斥力を、正孔は引力を受けるため、正孔はB周辺に束縛される。この時、BはSiの価電子帯から電子を容易に受け取ることができるためアクセプターと呼ばれ、そのエネルギー準位がアクセプター準位である。アクセプター準位は価電子帯のすぐ上に存在し、0.045eV程度の小さな値である。価電子帯にあった電子がアクセプターに移ると、価電子帯に正孔が生じて自由に動くことができるキャリアとなる。この場合は、正孔がキャリア―となりp形半導体になる。一方、有機半導体の分野でドナー準位というと、電子ドナー性の分子を混合あるいは接合させた場合に、その分子のHOMO準位で代表させることが多い。

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