ガラス転移点(ガラス転移温度)

ガラス転移点(ガラス転移温度)

基礎化学・基礎物理
一般化学
液体をある有限の速さで冷却していくと結晶化せずに過冷却液体になる。さらに冷却を続けると結晶化することもあるが、多くの場合は準安定なアモルファスな固体、すなわちガラスになる。この過冷却液体からガラスに移り変わることをガラス転移という。固体の結晶を加熱してゆくと融点で液体に変わり始め、固体と液体が共存する間は温度が融点に維持され、固体が全て液体に変わると、またその温度が上昇してゆく。一方、非晶質の固体を加熱した場合は、低温では結晶なみに堅く(剛性率が大きく)流動性がなかった(粘度が測定不可能なほど大きかった)固体が、ある狭い温度範囲で急速に剛性と粘度が低下し流動性が増す。このような温度がガラス転移点である。ガラス転移点より低温の非晶質状態をガラス状態といい、ガラス転移点より高温では物質は液体またはゴム状態となる。ガラス転移点をしめす代表的な物質には、合成樹脂や天然ゴムなどの高分子、昔から知られたケイ酸塩のガラスがある。

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