ブロッホ波

応用物理・応用化学
半導体物理
ブロッホの定理を満たす関数をブロッホ関数(またはブロッホ波、ブロッホ状態)といい、結晶中の電子の一電子状態を表すために用いられる。自由な原子や分子では、電子は特定の原子や分子に束縛されていて、そのエネルギー準位は離散的なとびとびの値をとる。しかし多数の原子や分子が集まって結晶をつくると、電子は特定の原子や分子に所属することなく結晶全体を動きまわる波(ブロッホ波)となり、そのエネルギー準位は帯(バンド)状の構造をつくる。例えば、N個の原子が互いに十分遠く離れている場合には、自由原子の電子のエネルギー準位EnがそれぞれN個ずつ縮退して存在するが、原子間隔が小さくなって互いに近づくと、原子間の相互作用によって縮退がとれて、少しずつ値の異なるエネルギー準位がEnのまわりに連続的に分布して、一つのエネルギー帯(バンド)をつくる。

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