一重項酸素
一重項酸素
基礎化学・基礎物理
一般化学
一重項酸素は、酸素分子の分子軌道のπ*軌道(反結合性のπ軌道)に入った2個の電子のスピンの向きが異なる一重項状態、すなわち、全スピン量子数が0である励起状態で、1O2で表される。このような励起状態には、2つ存在するπ*軌道のそれぞれに1つずつ異なる向きの電子が占有しているΣ1状態と、π*軌道の一方のみを2つの電子が占有しているΔ1状態が存在する。Δ1状態よりΣ1状態の方がエネルギーが高いため、Σ1状態は速やかにΔ1状態に遷移する。このため一重項酸素といえば通常Δ1状態のものを指す。一重項酸素(Δ1)は活性酸素の一種ではあるが、軌道上に単独の電子を持たず、フリーラジカルではない。
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