共役平面性
共役平面性
材料
有機半導体材料
芳香族分子の共役を伸長するとπ電子の非局在化が大きくなり、HOMO-LUMOエネルギー差が小さくなり、電子吸収スペクトルの長波長化などの物性変化が現れる。共役が平面状に伸びる場合と比べて、共役の伸長の途中で分子が捻じれる場合は、HOMO-LUMOエネルギー差や吸収スペクトルの長波長化は小さくなるため、共役平面性は共役の広がりを見積もる指標となる。例えば、ベンゼン環を単結合で結合したビフェニルは、2つのベンゼン環が溶液または気相では約45°ねじれていることが知られており、HOMO-LUMOエネルギー差の低減は限定的である。ベンゼン環を4つ単結合で結合したクオーターフェニルは吸収極大波長が300nm程度であるのに対して、ベンゼン環4つを直線状に縮合したテトラセンは吸収極大波長が480nm程度であり、物性に大きな差が生じる。