選択則

基礎化学・基礎物理
量子力学
選択規則、選択律ともいう。系の二つの定常状態間の遷移が許容であるか禁制であるかを決定する規則。系の二つの定常状態間の遷移確率の大きさは、その遷移モーメントの2乗に比例するが、この値が0になるかどうかは、遷移に関係する状態の固有関数の性質によって一義的に決められることが多い。たとえば、光吸収による電子遷移の場合、二つの固有関数のスピン多重度が異なっていて、スピン-軌道相互作用がない場合、遷移モーメントの値は0となる。したがって、この遷移に対するスペクトルは観測されない。このほか、電子遷移に対しては、分子の対称性による選択則などがある。また、振動スペクトル、回転スペクトルなどに対しても、それぞれの選択則がある。

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